浪漫紀行
カラードストーンの世界最大の集積地タイ・バンコクへ行ってきました!
2007年 06月 12日 (火) 15:31 | 編集
“ジュエリー誕生物語”の旅

去る3月27日(火)から3日間、“ジュエリーの都”タイ・バンコクに、希少で美しいカラードストーンの買い付けと鉱山視察に行ってきました。エネルギッシュで、エキゾチックな都市バンコクは、アジアの宝石の取引の中心地でもあります。思ったよりも治安もよく、国際的な商業と観光都市として発展を続けています。国民性も“微笑の国”というキャッチフレーズ通り、穏やかで勤勉です。仏教の国ですので、随所に寺院が点在し、信仰心の深さを実感させられました。
バンコク景色
仏教寺院と近代都市が同居するバンコク

■心を魅了するエキサイティングな旅の始まりです・・・。
3月27日(火)、初めて訪れるタイ・バンコクへ大きな期待を胸に旅立ちました。成田空港から直行便で約6時間、思っていたよりも近い国だと感じました。新しいタイの空の玄関、スワンナプーム新国際空港に到着後、休む間もなく、早速、豪華絢爛な仏教寺院と近代都市が同居するバンコクへ移動しました。途中、目に飛び込んでくるのは、ガラス張りの高層ビル群と昔ながらの活気に満ち溢れる庶民の生活です。その近代的な高層ビルが立ち並ぶすぐ隣には、荘厳にして華麗な極彩色の寺院が、悠久の時を刻んでいます。容赦なく照りつける陽射しと、食べ物の匂いと、雑踏が交差する中には、タイ国民の活気と明るい微笑が溢れています。
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ホテルの中庭にて

■チャンタブリの鉱山と研磨の現場を視察へ
バンコクから車で走ること3時間、カンボジアとの国境に近いチャンタブリの町に着きました。椰子の木が見える南国風の道を抜け、わきの細い道に入っていくと、サファイアが採掘されるチャンタブリの鉱山が目の前に現れました。青空が広がる気持ちのいい快晴でしたが、3月のこの時期は、特に暑期ということもあり、少し歩くだけでも汗が湧き出てきます。採掘現場は大きなホール上に地面が掘り返されています。そこをパワーシャベルで作業をしています。案内してくれた現地の人の話では、いろんな条件によって原石の出ると思われる場所を決め、掘っては埋め戻しの繰り返しだそうです。本当に気の遠くなるような時間をかけた仕事です。
原石と普通の石に大まかに分けられたものは、近くの選別所に運ばれ、ここでさらに原石のみが選ばれます。この原石を、無駄なく、形のよい宝石に仕上げるために、完成形を予想してカッティングが行われていました。そのカットした原石を、20名ぐらいの職人が黙々と研磨しています。ルーペ(拡大鏡)を使わずとも、寸分の狂いもなく磨き上げる技術は驚くばかりです。
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パワーシャベルで地下深くまで掘られています
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くみ上げた土砂を水で流して選別する仕組みなっています
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原石に特殊な光をあて、キズや内包物をチェックしています

■色石の世界を堪能!買い付け現場を視察
今回の買い付けの拠点となったのは、日本の色石輸入会社の現地法人です。市内のシーロム・ロードにあるジュエリートレードセンターの26階に会社はありました。バンコク訪問の楽しみのひとつに、世界各地から集まるカラードストーンを目の前で厳選することです。会社の入口にはもうすでに色石をもってたくさんのバイヤーが集まってきています。各バイヤーによって得意な石があるようで、一つひとつルーペで見てチェックしていきます。
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色石輸入会社「PAPAS GEM」にて

■パパラチアサファイアの美しさに魅了される
さすがに、色石の本場です。日本では中々見ることのできない高品質の色石が次々と登場します。特にパパラチアサファイアの美しさには、目を奪われ魅了されました。パパラチアとは、スリランカ語で“蓮の花”のこと。まさに蓮の花を連想されるピンクオレンジの色合いはなんともいえない美しさです。現在本当に品質の良いものは、ほとんど採掘されず、希少性が高い宝石です。
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大粒のパパラチアサファイア

■ジュエリーの加工現場を視察
次に、同じビルの中にある工房を見せてもらうことにしました。工房のカッターやクラフトマンは若い人たちが多いのですが、継続的な技術指導を繰り返し、研磨も加工も相当高いレベルになっていることがわかりました。もともとタイ人は指先が器用で、信仰心が強く、仕事に対しても熱心です。宿泊したホテルでも、レストランでも、感謝の気持ちを胸の前で両手を合わせて表現してくれます。私たち日本人が忘れてしまった何かがここにはあるような気がしました。

■大理石寺院で僧侶によるご祈祷を体験
ミュージカル“王様と私”で知られているラマ5世によって、1899年に建立された王立寺院を訪れました。屋根を除いた建物の殆どが大理石で出来ているため、“大理石寺院” (ワット・ベンチャマボピット)と呼ばれています。この寺院の僧侶たちが、今回特別にご祈祷をしてくださることになりました。正面に大きな仏像がある本道に入っていくと、オレンジ色の袈裟を着た9名の僧侶が並んでいます。僧侶たちと向かい合わせに座り、いわれるままに線香をつけると、お経が始まりました。独特なリズム感による重厚な合唱を聞いているような感じで、次第に敬虔な気持ちに包まれ心が安らいでいきます。20分間ほどの普段出来ない体験でしたが、外に出るとすがすがしい気持ちになっていました。
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大理石寺院の前でポーズ  光り輝くオーラを放つ仏像の前で

■タイを代表する宝石鑑別機関“タイ国立宝石研究所(GIT)”を視察
最後に向かったのは、バンコクにあるタイ最古の大学“チュラロンコン大学”です。訪問の目的は、大学の中にある“タイ国立宝石研究所(GIT)”を視察することです。タイ国立宝石研究所は、想像していた以上にレベルの高い研究所でした。さすがに国を挙げて宝石の鑑別に取り組んでいるだけはあります。設備もスタッフも実に充実しています。何よりもバンコクは宝石、特にカラードストーンの集積地ですので、鑑別のサンプルが豊富にあることが素晴らしいといえます。これにより、高品質の石の基準が明確になっています。また、研究所の別フロアーには宝石のミュージアムがあるとのことで、見学することにしました。宝石の誕生の神秘、人類の宝石の歴史、原石から製品になるまでの過程などが展示されており、じっくり見ることができました。
チャンタブリ 23
タイ国立宝石研究所(GIT:Gem and Jewelry Institute of Thailand)


1今回、2泊3日という強行日程ではありましたが、初めて訪問したタイ・バンコクは驚きと感動の連続でした。実際にサファイア鉱山を訪れたり、研磨や加工の現場を視察したりと、ジュエリーが誕生するプロセスを肌で実感することができました。また、大理石寺院での祈祷やタイ国立宝石研究所なども体験でき、思い出深い旅となりました。                      (岡本亮二)
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