浪漫紀行
南洋真珠のふるさとを訪ねて
2007年 05月 29日 (火) 19:58 | 編集
奄美大島・真珠紀行

鹿児島から南約400キロ、沖縄に連なる琉球弧の中間に位置する奄美大島は、奄美群島のなかでもっとも大きい島です。亜熱帯性の常緑広葉樹が広がる山々と川、そして島を取り巻く黒潮とサンゴ礁の海……奄美大島は、太古の昔から変わらない豊かな自然と古代日本の文化・民俗が息づく南の楽園です。大島紬、黒糖焼酎、島唄……などが有名ですが、ここ奄美大島は、南洋真珠とマベ真珠のふるさとでもあるのです。この奄美大島を取引先の方々といっしょに訪問してきました。

1日目
■伊丹空港から1時間45分、奄美大島に到着、でもそれからが……
奄美大島は年間を通じて、温暖な亜熱帯海洋性の気候で、この日の気温も25℃。すぐに真珠をと心ははやるのですが、真珠の養殖場は奄美空港の反対の島の南側にあります。ともあれ、チャーターしたタクシーに乗り込みました。町中を離れ、原生林の面影を残す山の中を抜け、珊瑚礁の見える海沿いを走り、3時間のドライブで、やっと本日の宿泊先ホテルに到着しました。ホテルは奄美群島国定公園のど真ん中、目の前にヤドリ浜と大島海峡が一望出来ます。
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大島海峡に日が沈む瞬間

2日目
■奄美の養殖真珠の歴史
2日目は、朝のうちは小雨模様のあいにくの天気、でも養殖真珠の現場を案内してくれる田崎真珠の方は、“大丈夫、お昼前には晴れてきますよ”。その言葉を信じて、車に乗り込み、真珠の養殖現場へと向かいました。
奄美での養殖真珠の歴史は古く、いまから100年ほど前の1910年にマベ貝による真珠養殖を開始されたとのこと。一時期は7つの業者が競って養殖真珠に取り組んだ時代もあったのですが、そのリスクの大きさと10数年前の貝の大量死によってほとんどの業者が撤退を余儀なくされ、現在は田崎真珠1社のみとなっているとのことです。

■奄美で養殖されているのは、マベ真珠とゴールデンパール
さて、奄美大島で養殖されている真珠は、マベ貝から採れるマベ真珠と白蝶貝から採れるゴールデンパールです。マベ貝は成長すると20〜30cmの大きさとなり、鳥の翼のような独特な形をしています。生息数が少なく群生しないため母貝を採取するのが難しく、幻の真珠ともいわれました。1970年頃に母貝を育てる技術が確立され、本格的な真珠養殖が始まりました。マベ真珠は12〜20mmの大きさでボリューム感があり、また淡いピンクから濃厚なバラ色、ピンクを基調とした虹色、メタリックゴールドなど豊富なカラーが楽しめます。
白蝶貝は真珠貝の中で最大級の貝であり、成長すると20〜30cmもの大きさになります。貝殻の内側が黄褐色になるものを“金緑種(Gold Lip)”そうでないものを“銀緑種(Silver Lip)”と呼んでいます。奄美大島で採取されるのは、前者のゴールデンパールです。真珠層が厚く、直径が10mm以上あり、中には16〜17mm、重さ7g になるものもあります。

■稚貝から母貝へと、真珠を育む貝を育てる時間
真珠養殖というと、貝から真珠を採り出すところをイメージしますが、じつは貝そのものを育てるところから養殖は始まります。これは天然の貝が大量に採れなくなっていることもありますが、より優れた貝を確保するために、たくさんの貝の中から健康で美しい貝を選び出し、それを親貝とし採卵・受精・育苗して稚貝に育てるためです。
稚貝は2ヶ月ほどたち2ミリ位の大きさになると、海上の筏に移され、稚貝から母貝へと育てて行きます。貝の成長に合わせて、篭の入れ替え、貝に付くフジツボ、海綿、海草、カキなどの掃除、寄生虫の駆除などの作業が行われます。自然の海ですので海水の寒暖の差や食物(プランクトン)等の過不足にも気をつかいます。食害という言葉も始めて聞きました。貝を食べてしまうエイや魚がいるそうです。言葉でいうのは簡単ですが、これは大変なことですね。相手は生き物です。まさに子育て、愛情がなければ出来ません。
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 マベ貝の角に穴を開け
 数珠つなぎの状態で
 ロープに巻きついて育てます。


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筏の上での貝の清掃作業です。

■いよいよ核入れ体験だあ〜!
次に核入れを見せていただくことになりました。マベ貝の核入れは、核を2枚貝の両方の内側に接着剤ではりつけます。その核が真珠層で覆われて半円の真珠であるマベ真珠が誕生するわけです。大きさは13〜15ミリを中心に10〜20ミリ位の大きさです。
白蝶貝の核は、淡水にすむ貝の殻で作ります。わずか2ミリほどの白蝶貝の細胞組織を直径数ミリの球状の核に付着させ、貝の体の一部を切り、中に真珠の中心となる核を挿入します。人間の手術と同様、貝の生死と真珠の出来を左右する重要な作業ですので、繊細さと集中力を要する手仕事です。
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マベパールの核です。  貝を開けて、慎重に核入れを行います。

■いよいよ待望の瞬間、光輝く真珠の誕生
核入れされた貝は近くの海で2〜3週間ほど養成させ、沖の海で本格的な育成に入ります。
しかし核入れを行った貝の約半分は養殖中に死んでしまいます。生き残った残りの半分もまさに玉石混合で実際に商品化できるものはそのまた半分強、多くの手間と時間、そして熟練の技術をもってしても、核入れした貝の3割程度しか商品化できないわけです。稚貝から数えて4〜6年かかって初めて誕生するのです。
養殖業者にとって最大の楽しみは、浜揚げと呼ばれる収穫作業です。貝を開け、貝剥きナイフを用いて一個一個丁寧に真珠を採取します。今までの苦労が、美しく輝く真珠の出現で報われるかどうか、まさに緊張する作業です。浜揚げの時期ではないのですが、僕たちも貝を開ける作業を体験させてもらいました。貝の中から、光り輝く真珠が出てきた瞬間は、感動の一言。大自然の神秘としかいいようがありません。
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ゴールドに光り輝く真珠が誕生しました。 淡いピンクの半円真珠のマベパールが誕生した瞬間

3日目
■感動をありがとう、奄美の真珠たち
“みんな海と真珠が好きな連中なんですよ、人付き合いが下手なことも共通かな”。養殖に携わる人たちの温かい笑顔に送られて、養殖場を後にした後も、感動は覚めませんでした。最後の夜は、黒糖焼酎の杯を重ねながら、真珠の素晴らしさを夜遅くまで語り合いました。
自然の神秘的な生命力と人間の知恵が結びついて生まれた海の宝石、それが真珠なのですね。帰りの機内の窓から見た奄美の海は、真珠のように光り輝いていました。
Comment
この記事へのコメント
Simpleにダイエット
素敵なブログですね。
また遊びに来ますね。更新楽しみにしてます!
2007/ 05/ 31 (木) 23: 40: 05 | URL | dream_inuko # -[ 編集 ]
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