2007年
04月
02日
(月)
16:53 |
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■わずか人口4万人の町が世界を代表する宝石の研磨産地になった背景とは?
●2007年9月28日から10月3日まで、お取引先の小売店の経営者といっしょにドイツのイーダーオーバーシュタインを訪問しました。ここで、毎年開催されている国際宝石展“インタージェム:INTER GEM”を視察することが目的でした。インタージェムは、ドイツ語読みですと、インターゲムになるそうです。
●インタージェムの様子をご説明する前に、まずはイーダーオーバーシュタインについて触れたいと思います。イーダーオーバーシュタインは、フランスとの国境に近い、ドイツ中西部の山中にある、人口4万人程度の小さな町です。一帯は、ハンスリュック高地と呼ばれるなだらかな山の中にあり、そこにはライン川に注ぐナーエ川の源があります。イーダーオーバーシュタインは、このナーエ川が切り開いた狭い谷あいにひっそりと息づいた町です。13以上の村落がありますが、中心はイーダーとオーバーシュタインのふたつの地区です。

切り立った崖をうがって造られた
白い壁の岩窟教会“フェルゼンキルシェ”
●かつてイーダーオーバーシュタインの特産品はメノウ細工でした。その歴史は古く、ローマ時代から貴石の産地として知られていました。現在のイーダー地区に最初の宝石研磨工房が作られたのは1530年頃だったようです。19世紀後半には、150ヶ所の工房を有する宝石の町に発展しました。その後、ナーエ峡谷のメノウだけでは、商業的需要を満たすことが出来なくなり、世界各地から宝石、貴石が盛んに輸入されるようになりました。
●イーダーオーバーシュタインが、宝石研磨産業の中心地のひとつとして世界的に有名になった背景には、地元のメノウだけにこだわらず、海外の貴石を積極的に探しに出かけたことと、ドイツカットと呼ばれる勤勉でガンコなドイツ人によって研磨・カットされた宝石の素晴らしさがあるからです。
■インタージェムの前に宝石博物館を見学
●さて、インタ−ジェムの話です。今回の開催は、9月29日から10月2日まででした。成田空港を28日出発し、フランクフルトで一泊、初日の29日の朝、電車でイーダーオーバーシュタインに入りました。時間にしてほぼ2時間、のどかな田園地帯や切り立つ山間を抜けたりとあっという間の列車の旅でした。
●インタージェムに行く前に、イーダーオーバーシュタインの中心部にある宝石博物館に行きました。メノウカメオを始めとして、原石から研磨されたもの様々な宝石が展示されています。また15世紀頃は、水車を回し、その力で研磨がされていたそうで、その様子を再現したレプリカも展示されていました。

水力を使って研磨をする様子を再現した展示物
■伝統とモダンがミックスされたインタージェム
●さて、インタージェムの今年の出展社数は141社、世界的に見ましたら規模は小さいのですが、なかなかレベルの高いフェアです。テントで仮設されたところで受付を済ませ、会場に入りました。会場はふたつのホールに分かれております。各ブースとも、顧客を中心に予約が入っているようで、IJTやJJFのように、ブースを回り掘出し物を見つけるという感じではありません。規模が小さいということもあり、会場内には、落ち着いた雰囲気が流れております。

インタージェムの会場入り口風景
●今回は、同行の小売店が出展社の中のひとつで、11月に開催する展示会の出品商品を買い付けることが目的のひとつでもありました。その工房のアトリエも見たかったので、初日は本当に会場に入っただけで、2日目、3日目ゆっくりと商品を見ることが出来ました。日本からの来場者は我々以外には、お二人しか会いませんでした。
●当然のことですが、各ブースとも、自社の特徴を出した商品と展示をしております。多いのは、やはり色石を中心にしたドイツカットの商品で、製品とルースが半々ぐらいといった感じです。なかでも、いま話題のアフリカ産のパライバトルマリンを大量に展示しているブースは注目を集めておりました。そうかと思うと、長い間石を集めて創り上げた芸術品に近いコレクションもあり、驚かされます。イーダー―オーバーシュタインの伝統の重みを感じさせてくれます。
●ドイツのジュエリーというと、デザインが鋭角的で幾何学的な印象を持っている方も多いかと思います。確かにその傾向は強いのですが、従来からの研磨・カットの石のブースの間に、若手作家のモダンな商品が並んでおり、その斬新さには驚かされました。デザインも新鮮ですし、素材も従来の石にこだわっておらず、中にはマイセンを使った作品もありました。
●イーダーオーバーシュタインの中心部には、古くからの研磨工房やメーカーが数多くありますが、その近隣の村々には宝石デザイナーがたくさん住んでおり、独自の作品を制作しているそうです。昨年ドイツを訪問したときに、何人かの30代の作家にお会いしましたが、その自然豊かな制作環境に感心しました。イーダーオーバーシュタインのジュエリーの流れも着実に変化してきているのを感じました。(櫻田弘文)
●2007年9月28日から10月3日まで、お取引先の小売店の経営者といっしょにドイツのイーダーオーバーシュタインを訪問しました。ここで、毎年開催されている国際宝石展“インタージェム:INTER GEM”を視察することが目的でした。インタージェムは、ドイツ語読みですと、インターゲムになるそうです。
●インタージェムの様子をご説明する前に、まずはイーダーオーバーシュタインについて触れたいと思います。イーダーオーバーシュタインは、フランスとの国境に近い、ドイツ中西部の山中にある、人口4万人程度の小さな町です。一帯は、ハンスリュック高地と呼ばれるなだらかな山の中にあり、そこにはライン川に注ぐナーエ川の源があります。イーダーオーバーシュタインは、このナーエ川が切り開いた狭い谷あいにひっそりと息づいた町です。13以上の村落がありますが、中心はイーダーとオーバーシュタインのふたつの地区です。

切り立った崖をうがって造られた
白い壁の岩窟教会“フェルゼンキルシェ”
●かつてイーダーオーバーシュタインの特産品はメノウ細工でした。その歴史は古く、ローマ時代から貴石の産地として知られていました。現在のイーダー地区に最初の宝石研磨工房が作られたのは1530年頃だったようです。19世紀後半には、150ヶ所の工房を有する宝石の町に発展しました。その後、ナーエ峡谷のメノウだけでは、商業的需要を満たすことが出来なくなり、世界各地から宝石、貴石が盛んに輸入されるようになりました。
●イーダーオーバーシュタインが、宝石研磨産業の中心地のひとつとして世界的に有名になった背景には、地元のメノウだけにこだわらず、海外の貴石を積極的に探しに出かけたことと、ドイツカットと呼ばれる勤勉でガンコなドイツ人によって研磨・カットされた宝石の素晴らしさがあるからです。
■インタージェムの前に宝石博物館を見学
●さて、インタ−ジェムの話です。今回の開催は、9月29日から10月2日まででした。成田空港を28日出発し、フランクフルトで一泊、初日の29日の朝、電車でイーダーオーバーシュタインに入りました。時間にしてほぼ2時間、のどかな田園地帯や切り立つ山間を抜けたりとあっという間の列車の旅でした。
●インタージェムに行く前に、イーダーオーバーシュタインの中心部にある宝石博物館に行きました。メノウカメオを始めとして、原石から研磨されたもの様々な宝石が展示されています。また15世紀頃は、水車を回し、その力で研磨がされていたそうで、その様子を再現したレプリカも展示されていました。

水力を使って研磨をする様子を再現した展示物
■伝統とモダンがミックスされたインタージェム
●さて、インタージェムの今年の出展社数は141社、世界的に見ましたら規模は小さいのですが、なかなかレベルの高いフェアです。テントで仮設されたところで受付を済ませ、会場に入りました。会場はふたつのホールに分かれております。各ブースとも、顧客を中心に予約が入っているようで、IJTやJJFのように、ブースを回り掘出し物を見つけるという感じではありません。規模が小さいということもあり、会場内には、落ち着いた雰囲気が流れております。

インタージェムの会場入り口風景
●今回は、同行の小売店が出展社の中のひとつで、11月に開催する展示会の出品商品を買い付けることが目的のひとつでもありました。その工房のアトリエも見たかったので、初日は本当に会場に入っただけで、2日目、3日目ゆっくりと商品を見ることが出来ました。日本からの来場者は我々以外には、お二人しか会いませんでした。
●当然のことですが、各ブースとも、自社の特徴を出した商品と展示をしております。多いのは、やはり色石を中心にしたドイツカットの商品で、製品とルースが半々ぐらいといった感じです。なかでも、いま話題のアフリカ産のパライバトルマリンを大量に展示しているブースは注目を集めておりました。そうかと思うと、長い間石を集めて創り上げた芸術品に近いコレクションもあり、驚かされます。イーダー―オーバーシュタインの伝統の重みを感じさせてくれます。
●ドイツのジュエリーというと、デザインが鋭角的で幾何学的な印象を持っている方も多いかと思います。確かにその傾向は強いのですが、従来からの研磨・カットの石のブースの間に、若手作家のモダンな商品が並んでおり、その斬新さには驚かされました。デザインも新鮮ですし、素材も従来の石にこだわっておらず、中にはマイセンを使った作品もありました。
●イーダーオーバーシュタインの中心部には、古くからの研磨工房やメーカーが数多くありますが、その近隣の村々には宝石デザイナーがたくさん住んでおり、独自の作品を制作しているそうです。昨年ドイツを訪問したときに、何人かの30代の作家にお会いしましたが、その自然豊かな制作環境に感心しました。イーダーオーバーシュタインのジュエリーの流れも着実に変化してきているのを感じました。(櫻田弘文)
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